■ありがちな落とし穴 – 廉価品の魅力
ホームセンターやおもちゃ屋さん、アウトドア専門店などに行くと、3000円~1万円台の天体望遠鏡が並んでいます。
いかにも「天体望遠鏡」然としたわかりやすいデザイン。テントやバーベキューコンロなどと一緒にレイアウトされていれば、キャンプを楽しむ家族の姿が思い浮かべるかもしれません。
「このくらいの値段なら買ってもいいかも?」「子どもが欲しがってたし買っちゃおうか」。生活用品や洋服を見に行ったつもりが、全く関係ない荷物を一つ増やして帰ることに…。
――そんなこともあるでしょう。購入までの経緯はともかく、手に入れたら実際に星が見えるか使って試してみるもの。
ですが、そこに大きな落とし穴があります。廉価モデルの天体望遠鏡の見えには、期待を「下回る」展開がつきものなのです。
最初に天体望遠鏡を覗くとき、大抵の人はただ見上げた時の星空とはまったく違うそれが広がっていることを期待します。
例えば、大きく瞬く星、はっきりとした輪郭、美しい色合い。
でも、実際に見えるものはぼやけた像であることがほとんど。コストを抑えるためにレンズや正立プリズムの精度・鏡筒本体の作りなどを犠牲にした結果と言えます。
そうして理想と現実のギャップにガッカリしたまま(そして天体観測そのものへの興味を失い)、物置に片づけてそのままという話も枚挙に暇がありません。